楽日@ユーロスペース

chungsan2006-09-02



何とか仕事の折り合いが着いて、駆け込みで行きました。
蔡明亮の台湾映画。
今日で閉館になってしまう映画館(日本だと2本立て上映する映画館)に
来た観客、そこで働く従業員の行動を淡々と追っている不思議とじんわりと
した映画でした。
始まって45分間くらいは、出演者誰もセリフを言わない。
流れてくるのは、昔の台湾映画のセリフ、外の大雨の音、歩く音。。。
流れている台湾映画は武侠映画で、かなりエネルギッシュでパワーを
感じる画面が出てくるのに、現実の場面は淡々とやや生気にかけているかと
途中まで思っていたら、ゆっくりだけども、観客の息づかいや、従業員の
秘めたる思いが伝わってきて、終わりもあっさりと終わるけども、これから
また何か始まるんだろうなぁと思わせる映画でした。
この回は、この映画に日本人役で出ていた三田村さんと映画評論家の宇田川さんの
トークショー付き。
宇田川さんによる映画の中で流れていた武侠映画についての話や、三田村さんが
監督の映画に惚れ込んで、自ら台湾に行って、つてもない状態で監督に会って、
この映画に出演とした経緯など、ゆったりとしつつも、内容濃い話が聞けて
面白かったなり。
ただ良かった昔を懐かしむだけではなくて、現在もそれを記憶に残しつつも、
違う良い未来を感じさせる映画で、2度目に見たらまた違う感想になりそうです。